Samsungが北米においてAT&Tで展開しているGalaxy Sシリーズである、『Captivate』(SGH-I897)を入手しました。
日本ではSamsung Galaxy Sなどがデザインなどの意匠を侵害しているとしてAppleによって提訴されたことが話題となりましたが、デザインこそ異なるものの、このCaptivateもGalaxy Sのラインアップのひとつです。北米ではGalaxy SのデザインはiPhoneとまったく異なるため、あまり正しくAppleの意図が伝わっていません。
直線と曲線をメリハリよく併用した流線型の薄型ボディはとても洗練されていて都会的な印象を受けます。丸みを帯びた温和な印象のGalaxy Sとはまったく異なるイメージです。
筆者が手にした段階では、そもそも正しく起動しなかったりMarketが導入されていないのでジャンクである、という状態でした。
起動させてみるとクラッシュしてコアダンプのアップロードモードになります。ここでADBからの操作は受け付けるので、起動ログなどからアタリをつけて悪そうなサービスを退避するなどして正常起動にこぎつけます。
起動ロゴがChina Unicom (中国聯通)のものでこのあたりからとても怪しい感じでしたが、起動して設定から端末情報を表示させてみると〝GT-I9088〟とあります。OSも2.1-update1 (I9088CHNJH5)なので明らかにCaptivateとは異なります。
しかし、表示されるIMEIは外箱とも一致していて確かにAT&Tのものなので、書き込まれたファームウェアが正しくない、ということなのでしょう。音量ボタンの上下が逆に機能して正しく動作しなかったり、搭載アプリケーションもどことなく怪しげです。
このようなとき、まずすべきことは純正ファームウェアのROMイメージを探すことです。英語圏ではこれは〝stock ROM〟と呼ばれることが多いので、この端末に限らずそのような検索ワードで探すとよいと思います。 果たしてROMイメージ自体は比較的簡単に見つけられ、Samsung端末ではおなじみの『Odin』をカスタマイズしたワンクリックパッケージを手に入れることができました。非常に簡単にファームウェアを書き戻すことができます。
これはAT&T版の2.1-update1のイメージで、AT&Tからは既に2.2アップデートが提供されています。こちらは端末からOTA update (FOTA)するメニューが実装されていますが、AT&T回線でないと実行できないため、PCから更新することとなります。ツールとして『Samsung Kies Mini』というものを使います。Kies miniにはWindows版しか存在しないこと、Mac OS X上のVMware Fusionにおいて端末をUSB接続させてもKies miniから正しく認識されないことから、Windows XP以降の実機で使用する必要があります。
Kies miniはGalaxyファミリの管理ツール『Kies』とよく似た名前ですが、ファームウェアのアップデートを行うこと〝しか〟できません。そして、Kiesからではファームウェアのアップデートを行うことはできません。正直なところ、統合してくれれば楽なのですが……
Kies miniからアップデートを実行すると、正しく完了すればAndroid 2.2となります。現在のところ2.2.xへの更新は来ておらず、2.3へのアップデートが予告されています。また、このファームウェアにおいても『SuperOneClick』などでroot権限を取得することができます(2.3.xではおそらく『Gingerbreak』などを使うことになるのでしょう)。
Android OSのリファレンス端末であるNexus SとGalaxy Sは様々な点において共通することから、カスタムROMは豊富にリリースされていて、2.4.xベースのものも存在します。 ところで、標準ブラウザのホームは http://att.my.yahoo.com/ となっていて、いわゆるところの "Google OS" らしくありません。
筆者の端末は既にアンロック済みのものでしたが、Galaxy Sファミリのアンロックはとても簡単で、Marketにその名もズバリな『Galaxy S Unlock Tool』というものが存在します。
これは、端末から直接アンロックコードを取得してユーザーに通知するものです。アプリケーション上でアンロックコードを解析させて取得し、キャリア(ここではAT&T)の異なるSIMカード(つまり例えばSoftBankなど)を挿して起動して、画面に従って取得したアンロックコードを入力すればファクトリーアンロックと同じ恒久的なアンロック状態となります。
日本国内のSIMカードとしては、ソフトバンクモバイルのものなら大丈夫ですが、NTTドコモの一部MVNOのもの(日本通信など)では正しく電波測定ができず常時圏外表示となります。また、起動時に〝SIMカードのプロビジョニングに失敗した〟旨のメッセージが表示されることがあります。ただし、この場合もAPNを正しく設定すればデータ通信自体は可能でした。
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