DO NOT PAY FOR JAILBREAK YOUR DEVICE!

最近、『NTTドコモのSIMカードでLTEを使えるようにする』『ソフトバンクやKDDIで月額を払わなくてもテザリングができるように』などのフレーズで『CommCenter* patch』や各種キャリアバンドルをインストールする代行業者があるようで、たいへん多くの「どのような関係性があるのか」「無償で提供しているように見せかけてカネを取るのか」「いくら儲かるのか」といった問い合わせを受けています。

これらの悪質な業者と我々は、いっさい関係がありません。Jailbreakは無償で提供されるべきものであり、これを商用利用すべきものでもありません。 [続きを読む »]


2011年11月11日金曜日

iPhone 4S 海外版は日本国内で修理できない

2011.11.18 追記
全世界へ向けたApple Inc.からの通達により、サポート対応の当該国以外で購入されたiPhone端末はリージョンや国にかかわらず、正式に修理不能となりました。つまり、故障端末のユーザーはその本人の責任において購入国のApple修理担当窓口まで端末を送付する必要があります。また、この対象にはiPhone 4などの過去の端末も含まれ、キャリアやロックの状態を問いません。何とも残念な結果に終わりました。
これを受けてエントリのタイトルを『iPhone 4S 北米版は日本国内で修理できない』から『iPhone 4S 海外版は日本国内で修理できない』へ変更しました。
※一部報道などが〝香港版だけは除外〟といった誤った情報を流していますが、当該記事の執筆者は以前より香港から日本への携帯端末の輸入代行などを行っている事業者であり、かなり恣意的な報道だと思われます(当該記事中にもあるとおり、Appleに対して正式な取材をしたものですらありません。また当エントリでも触れているとおり、Apple CareやApple Storeのスタッフの大半には正しい知識と情報がないため取材してもほとんど意味がありません)。少なくとも日本のApple Care/Apple Storeは、11月18日以降より香港版(を含む海外版)のiPhone 4/4Sに関して修理受付を拒否しています。
2012年初頭より、GSMリージョンの異なるiPhone 4S端末本体の交換用在庫がある場合(※ごく少数のようです)においてのみ、Apple Store店頭での交換修理に応じるようになっています。日本のApple Storeにおいては、日本のキャリアで契約された端末でない場合で、その端末と同一のGSMリージョン用の交換用在庫(※とはいっても基本的には日本版であるJ型番です)がない場合は、これまでどおり修理受付を拒否されます(このため、修理手続きのためには事実上、事前にApple Careで電話によるシニアケアマネージャとの調整が必要です)。エントリのタイトルを〝ことがある〟程度に改めるべきかと考えましたが、在庫がない場合の予約などが出来るわけでもない(※交渉次第では電話によるコールバックがもらえる場合もある?)ため当人の〝運〟的な要素も強く、当面はこのままで様子を見たいと思います(※別の方向の進展があればぜひお知らせください)。
「2台とも同じ型番の香港版なのに1台は修理を受け付けてもらえなかった。これはなぜ?」という質問を受けました。これはこのエントリで扱っている問題とは少々違う話で、修理を受け付けられなかった端末は香港の携帯電話キャリアにて購入されたものです。
他国においても基本的に同様ですが、キャリアロックのない香港版の端末を海外で保証サービスを受けるためには、正規のApple Storeで購入している必要があります(キャリアショップやApple認定販売代理店などで販売されたものはダメです)。香港版の端末を並行輸入などで購入される際は、その端末の購入経路をしっかり確認したほうがいいでしょう(※保証サービスを受けるためには、香港へ端末を持参した上で同一キャリアのショップへ持ち込まなければならないため)。日本で端末の保証サービスを受けるにあたっては、香港のApple Storeで購入された端末で、日本のApple Storeに香港と同一リージョンの修理用在庫があるという、2点の状況が揃っている必要があります。香港で販売される携帯電話機端末本体にSIMロックがないことと、その製品の海外保証サービスの有無はまったく別の話ですのでご注意ください。

11月6日に手元に届いたMC921LL/A (カリフォルニア州現地11月4日購入)ですが、タッチパネルの反応が当初よりとても悪く、だんだん使えなくなっていくという初期不良がありました。

日本のApple Careの電話サポートへ問い合わせると「お近くのApple StoreやApple認定正規サービスプロバイダ(AASP)で修理できます」「修理端末は、日本のソフトバンク版などの現地(国内)仕様をアンロックしたものになります」とのことだったので、最近はじまったばかりのAASPによるiPhone修理サービスを使ってみようと思いました。

なお、筆者は初代iPhoneより都合5年に渡って海外版iPhoneを使い続けてきたiDevices Jailbreak Communityの敬虔な信者であることを、事前に申し添えておきます。

AASPによる修理サービスはどれほど使えるのか

東京都内のAASPによる修理サービスには、丸善・ジュンク堂(丸善CHIホールディングス)系列のグローバルソリューションサービスが提供する『クイックガレージ』やウチダエスコ系列の『iPod/iPhone/iPad修理サービス』などがあります(参考: http://support.apple.com.au/wts/jp/)。

なお、AASP の修理サービスでは、あたかもガラスパネルのみの交換ができるような表記が多いですが、これは大変紛らわしい表現で、より正しくは〝iPhone 3G/3GSであればガラスパネルのみの修理が可能〟です。iPhone 4/4SはApple Storeと同じく本体ごとの交換しかできません(4に関してはバックパネルのみの交換ができることがある)。

要するに、本体外部に露出しているネジ2本のみを外してメンテナンスできる部分にしか対応することができません(※iPhone 3G/3GSはこのネジのみでフロントユニット全体を外すことができるが、4/4Sはこのネジだけではバックパネルとバッテリーくらいしか触れない)。

都内のAASP 3店舗をあたってみたのですが、いずれも結論としては〝海外版のiPhone 4Sの修理受付自体がNG〟でした。

最後に行った店舗のApple認定エンジニアの説明によると、AASPの修理サービスはソフトバンク版の端末のみにしか対応しておらず、KDDI版や海外版に対応することがそもそもできないそうです。Apple Careの電話サポートではあたかもAASPでも修理できるような案内をしていますが、これは間違いです(そのような説明でたいへん迷惑している、と言っていました)。Apple Storeに持ち込むか、Apple Careに送付するしかありません。つまり、正直なところそれほど使いでのあるサービスではありません。

Apple Storeの意外な対応

さて、こうなるとApple Storeに持ち込むしかないようです。Genius Barを予約して、朝イチでApple Store Ginzaに持ち込むよう手配しました。

Geniusは端末を確認してシリアルを確認し、「明らかに初期不良ですね、交換します」と相成ったのですが、ここで問題が発生します。その場で保証期間も照会できる本体のシリアルが、修理受付を通過しないのです。

記述内容に関しての追加更新
このカコミ内の記述に関しては、2011年11月18日に発効されたApple内部における通達で見解が統一され、以降は〝修理対応に関しては購入国に限る〟という方針となりました。

これを詳しく調べてもらうと、iPhone 4SからApple Careでのサポート規定が変更になり〝修理対応に関しては原則購入国のみ〟ということになったという事実が判明しました(※ただし、AppleのWebサイトから閲覧できる保証規定としては、4と4Sは同様の内容です。また、この制限はファクトリーアンロック、キャリアアンロック、もしくはキャリアロック端末のどれに関わらずすべてのiPhone 4Sに適用されます(そもそもAppleのシステム上、ファクトリーアンロックとキャリアアンロックは区別されておらず、unlocked=true|falseの2値です)。例外規定は見つけられません。 出典: http://images.apple.com/legal/warranty/docs/iPhone_4_warranty.pdf)。

例外として、リージョンが同一の国であれば修理対応を行うことが可能だそうです(これもおそらくは、相当=マネージャクラスに対応してもらえるまで=ゴネなければなりません)。

Appleのサイトからリージョン別の国一覧を引用してみましょう(参考: http://images.apple.com/legal/warranty/docs/warranty_obligor_table.pdf)。

アメリカ ブラジル、カナダ、メキシコ、米国(および米州)
ヨーロッパ、中東およびアフリカ 圏内全土
アジアパシフィック オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、パプアニューギニア、バヌアツ、香港、インド、日本、韓国、アフガニスタン、バングラディシュ、ブータン、ブルネイ、カンボジア、グアム、インドネシア、ラオス、シンガポール、マレーシア、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、ベトナム、中国(中華人民共和国)、タイランド、台湾(中華民国)、その他アジア圏

日本の端末の場合はリージョンがアジアパシフィックですので、アジア一帯とオセアニアで修理することができます。逆に、南北米やヨーロッパ、アフリカでは修理を受け付けてもらうこと自体ができません(これらの旅行先で壊れたら帰国まで死ねますね)。逆もまた然りです。

また、Apple関係者によるとこれ以外にも〝GSMリージョン〟と呼ばれるものがあるようで、こちらでは米国、オーストラリア、ニュージーランドが同一のリージョンに設定されているようです。これらの国はGSMの帯域幅が特に共通しているわけでもない(参考: http://en.wikipedia.org/wiki/GSM_frequency_bands)ので、どうしてそのような区切りなのかは不明です(情報をお持ちの方はご提供ください)。W-CDMAとしての帯域幅は850MHz帯のBand Vで被りますが、この同一のGSMリージョンにブラジルやフィリピン、タイランドなどが含まれているのかどうかも分かりません(参考: http://en.wikipedia.org/wiki/UMTS_frequency_bands)。

つまり、北米版である筆者のiPhone 4Sは現段階において日本で修理することはできず、米国と同一リージョンの地域に持ち込まなければなりません。国としては、米国・カナダ・ブラジル・メキシコの4国となります。飛び地でも大丈夫ですので、ハワイやアラスカなども含まれます(※グアムは含まれない=アジアパシフィックにカウントされる=ことに注意)。

なお、念のため筆者の手持ちの北米版iPhone 4のシリアルを端末に通してもらうと、修理受付が可能であることは確認できました。つまり、この制限は現段階のところiPhone 4Sのみに適用されます(上述のとおり、保証規定自体は4の段階で変わった旨しか確認できません)。

Apple Careの電話サポートは、このような内規を詳細に把握しているわけではなく、修理に関してはほとんどそのまま現場に丸投げというような印象を持ちます。電話で「できる」と言われても実際にはできなかったことを、過去にもMacなどで経験しています(※この際はAASPによる修理が活躍したのですが……)。

つまり、サポートへの電話の段階で「できる」と言われても、Genius Barや集荷された集中修理センターでは修理対応ができず、返送されてきても文句を言う先の部門すら日本には存在しません。その後、Apple Careへ再び電話してStoreでシステムを通らないために修理できなかった旨伝えると「その対応はおかしい、内規に違反している」の一点張りでどうしようもありませんでした(対応がおかしいのならそれを改善するための次善策を提供してほしいものですね)。

筆者はこのような顛末を Tim Cook, Apple Inc. CEO ([email protected]) へメールで報告しましたが、Steve Jobs亡き今、これまでのようなトップダウンによる対応改善フローがどれほど活かされているのかは未知数です。

ところで、機能しない電話機をどうするの?

このようにApple Japanが何らサポートを提供する気のないこのiPhone 4Sの現状は、どう贔屓目に見ても140g弱の文鎮でしかありません。

米国まで送り返している間にアジアパシフィック圏のiPhone 4Sが購入できてしまいますし、ダウンタイムが無駄すぎます。面倒なので自分で直しましょう。

iPhone 4とiPhone 4Sのパネルの違いは、Siriのために新たに内蔵された不可視赤外線センサのためのポートだけです。

写真では下側が4Sのパネルで、近接センサポートの向かって右側にある白い部分が赤外線センサポートです。Siriは日本語ロケールでは事実上利用できませんので、この際無視しましょう(なお、実際には=筆者の端末においては=Siriは動作しています)。

パーツ全体としての違いは、パネル自体は同一でも問題ありませんが、ミドルフレームのアンテナ配置が異なるためにフロントフレームとリアフレームの足の部分の配置が異なります。これは移植してしのぐしかありません。ヒートガンなどで温めて粘着剤を柔らかくした上で、スクレイパーなどを使ってゆっくり剥がして移植してください。

白いフレームに黒いパネルというクールな電話機が出来上がりました。おや? そういえばiPhone 4S Whiteは部材の関係で発売が遅れているのでしょうか……?? BlackではないiPhone 4Sの発売がたいへん楽しみですね。

そうそう。ホームボタン裏面の形状が4Sから変更となっています。このため、今回はパーツの準備が間に合わなかったので4のボタンを流用していますが、4S特有の吸い付くようなボタンの感触は得られません。

このホームボタン裏の小さな金属板が、あの独特の感触のポイントとなっているようです。

追記
後日、ホワイトの純正パネルを入手して無事に正しい状態へ戻りました。ホワイトアイフォーンフォーエス発売、おめでとうございます!

ところで筆者は、AppleやソフトバンクモバイルやKDDIなどの関係者から「2011年10月に世界中で使えるワールドフォンを発売する」と聞いていたし、Webページなどでもそのように記述している様が観測出来るような(※http://www.apple.com/jp/iphone/features/ など)気がしますが、iPhone 4までも世界中で使えて世界中で修理できていたので、きっと4Sではない何かの発売が遅れているのでしょうね。ぼくらが待ち望んでいたワールドフォン iPhone 4Sとはきっと、幻想上の存在だったに違いありません。世界中で安心して使える新型iPhoneの発売が、とても楽しみです!

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