これまでiOSの強かったエントリ群が一挙にAndroidづいていますが、〝世界初のW-CDMA デュアルSIM端末〟である、中国・宇龙计算机通信科技(Yulong)の『Coolpad(酷派) W770』を紹介します(機材提供: Digital house モバイル トラちゃん、日本語がよい方はこちらへ別途ご相談を)。
アッ、そうだ。これはとても大事なことですが、この端末には総務省による特定無線設備としての技術基準適合証明は存在せず、みなし証明となるFCCやCE等の相互承認協定機関による基準認証も存在していません。
つまり、日本国内で無線電波を受発信すると電波法違反となる可能性があります(ので、メディアなどがわざわざ取り上げる可能性も低いですし、あくまでも個人の責任の範囲でやりましょう)。それでは、600人民元程度(2012年10月現在)の端末で見られる夢のお話です。
Coolpad W770は何がすごいのか
これまでのデュアルSIM端末は、片側スロットがW-CDMA(3G)・もう片方がGSM(2G)というものばかりでした。日本でも馴染みのあるブランドとして『Xperia』(ソニーモバイル)や『Galaxy』(Samsung)シリーズなどもデュアルSIM端末を提供していますが、これらも同様です。
デュアルSIM端末が重宝されるマーケットは主に中国(のような新興国)で、中国国内での一般的な運用方法が「(政府由来の古い電話会社で)エリアの広い中国移動のGSMを音声通話・SMSに」「(業界再編による新興企業で)通信速度の速いW-CDMAの中国聯通をパケット通信に」というものだというのが大きな理由として挙げられます(プリペイド方式が一般的なため、SIMを分けたほうが通信料を安く抑えることができる)。
もうひとつ大手キャリアとして中国電信がありますが、こちらはCDMA 2000です。また、中国移動も3Gサービスを提供していますが、これはTD-SCDMAと呼ばれる中国独自方式です。つまり、中国移動の2G・中国聯通の3Gが一般的な国際規格と共通です(中国聯通も2Gの通信方式は国際規格であるGSMです)。
この状況に打って出たのが、中国聯通の3Gブランド(※NTTドコモ『FOMA』のような)である『wo』です。『Coolpad W770』は中国で一般的な〝メーカー直売〟ではなく、〝3Gデュアル待ち受け対応〟を前面に押し出したキャリアブランド端末としてリリースされているのです。